今回出品したのはヤマハ ソプラノサックスYSS-62です。
ウェインショーター、ブランフォードマルサリス、エリックマリエンサルなどの名だたるレジェンドプレイヤーに愛され、今日も変わらず世界中で支持されている銘器中の銘器です。
吹奏感は一言で言うと現行の楽器と比べ驚くほど軽く重量も軽いです。
例えばミドル音域のC♯とDの抵抗感は現行の楽器では体験できないほどスムーズです。
また、高音の音の伸びも群を抜いており、とにかくロングトーンしているだけで楽しくなる楽器です。
考えられる理由のひとつとしてはパームキー部分の熔接の違いが良く説明されます。現行の楽器では延座の台にまとめてキィポストを立てた後に本体にくっつけて作業効率を軽減していますが、この楽器は手間のかかるシングルポストで1個1個熔接してあります。(写真2枚目)
唄口に近いパーツが軽量化されているため吹奏感には大きく影響がでるのでしょう。
ただし高音の伸びと引き換えに初期のYSS-62 はハイC ♯のピッチが上ずる傾向にあります。その対応策として後期ではダブルC ♯キィシステムが装備されました。(写真3枚目)
こちらの楽器ですが、シリアルナンバーから類推するに初期の個体と考えられますが、 (C♯トーンホールが逆/写真12枚目)不思議なことに初期のバネは通常ステンレスなのにこの機種は後期のニードルスプリングです。前述したようにダブルC ♯キィシステムの装備など、ちょうど初期から後期に移行する端境期の個体だと思われます。
楽器の状態としては1年ほど前に全分解調整を施してあり、今すぐ演奏できる状態です。
ソプラノサックスは好きだけど演奏が難しいからと諦めていた方にうってつけです。
YSS-62 でYOUTUBE などで検索していただければ上記のことが決して誇張ではないことが分かると思います。
個人的には何故サックスは(あとヤマハは)この方向で進化しなかったか甚だ疑問なのですが現行の自由度の低い抵抗感の強いサックスに苦しんでいる方にこそ試してもらいたいと思います。
よろしくお願いいたします。
種類...サックス
ブランド...YAMAHA