遠目には藍味を帯びた暗い鼠色の本場大島で、縞大島(チラシ)のアンサンブルです。
この大島は手織りの一元式の大島の特徴の一つ井形の絣に似た絣柄を見られますが、チラシの縞大島です。
チラシの大島には、機械織と手織りがありますが、どちらとも見分けがつきません。
アンサンブルの仕上がりを見ますと、職人さんの手仕事による温かみが感じられるような手織りの縞大島にも感じられますが、真相は不明です。
縞大島は、基本的には地糸(無地の単色染め糸)のみで織られ、絣糸をつくる「絣締め」の工程は発生しません。
縞模様が特徴で、染色された糸と無地の糸を交互に使って織られます。(写真16、17枚目)
大島の着物には手織りや機械織、絣もタテヨコとヨコ糸で柄を出すヨコソ等々があり、それぞれ異なる技法で織られており、それぞれの特徴を楽しむことができます。
昭和〜現在の本場大島紬は、紬と呼ばれるものの紬糸ではなく、本絹糸だけを用いて織られています。
そのため独特の光沢があり、シュシュッという衣擦れの音を楽しんで頂けます。
着物裏地はカネキン(綿)の黒紅色を使用。
羽織裏地は寿の文字を織り込んだ正絹の紋意匠地で、タテ糸を浮かせて光沢を出して、モスグリーン地に金茶の色を挿しています。
(写真18,19枚目は文字柄の一部の組織図です。
寸法(単位㎝)
身丈141.5 裄66.5 袖巾34 袖丈47 後巾30 前巾23
羽織丈89 裄66.5
シミ、汚れは無いようです。
シミ、汚れ等はできる限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。
ご理解の程、お願いいたします。
デジカメの画像です。スマホやパソコンによって、色の違いがでることがありますので、ご了承下さい。また、カメラの特性で違う色になることが多々ありますのでお断りしておきます。
撮影に使用しました羽織紐と角帯は今回の出品物ではありません。