これは非常に珍しい構造を持つルアンポー・プラーム()系統の箱型プラクルアンです。
真鍮または銅合金で形成され、表面には花と葉のレリーフが施されています。
中央には「」、下部には「(ワット・ブンケー)」の刻印があり、アユタヤ〜アントーンにかけて活動した高僧ルアンポー・プラーム師の慈悲と運気上昇の象徴的護符を踏襲した造形です。
背面は蜘蛛の巣状の透かし彫りで「福を絡め取る=幸運を逃さない」意匠。
中央の涙形モチーフは富の種(ナークリーン)または生命の滴を意味し、構造全体が「運の流れを留める」ための設計思想に基づいています。
内部には魚、棒状仏体、巻物状のヤントが封入されています。
魚は繁栄と流れ。
仏体は生命力と創造性。
ヤントは真言の封入部とされます。
これらが一体化し、金属内部に祈りの構造を成立させています。
磁石には反応せず、触れると冷たく、素材は真鍮または銅系合金と推定されます。
近年(2000年代前後)の再製作個体と考えられ、ルーククロブ型の構造を備えています。
本品は宗教的効能を保証するものではありません。
ただし、古来より「流れを絡め取り、運を留める造形」として伝わり、タイでは“運を編む護符”として扱われてきました。
感じ取るかどうかは、手にした人次第。
ただし、金属の冷たさ、文様の密度、沈黙の重さが一体となり、祈りを構造化した工芸美としての存在感を放っています